司馬遼太郎原作、脚本は「武田信玄」や「信長」の田向正建が担当。本木雅弘が大河ドラマ二度目の出演で主役・慶喜役を射止め、苦悩と葛藤の半生を演じる。
260年余り続いた江戸幕府、最後の将軍・徳川慶喜(よしのぶ)を通して、日本史上最大の動乱期である幕末を、幕府側から描いた作品です。文化庁裁定申請中(2019年3月15日申請)
徳川慶喜(よしのぶ)、幼名・七郎麿(しちろうまろ)は、天保8年(1837)、水戸9代藩主・斉昭(なりあき)の七男として江戸・水戸藩邸で生まれますが、生後まもなく水戸へ移されて実母の顔を知らないまま育てられます。天保15年(1844)、父・斉昭は藩政改革を進めますが幕府から隠居謹慎処分を受け、長男・慶篤(よしあつ)が10代藩主となります。知らせを聞いた実母の吉子は、七郎麿を不憫(ふびん)に思います。
58分斉昭が謹慎する水戸藩では、幕府寄りの保守派が要職を占め、藩政改革は頓挫します。一方、江戸では御三卿の一つ、一橋家の世継ぎ問題が起きていました。斉昭は12代将軍・家慶(いえよし)から、七郎麿(しちろうまろ)の一橋家への養子入りを条件に謹慎を解くと言われて、受け入れます。七郎麿は一橋家の養子となり、将軍・家慶から慶喜の名を賜りました。慶喜は、一橋家でわずか7歳違いの義母となる直子(つねこ)に会います。
42分嘉永5年(1852)、慶喜は元服の儀式を無事に終えました。立派に成人した姿に義母の直子(つねこ)は心から喜びますが、慶喜の世話係・松島が母親のように世話を焼く様子を見て、はがゆい思いでした。翌年、ペリーが艦隊で浦賀沖に現れます。老中から警備用の火事装束で待機を命じられた慶喜は外国が攻めてきたとして甲冑で武装します。ある日、慶喜が家臣から黒船の報告を受けていると、将軍・家慶急死の知らせが届きます。
42分嘉永6年(1853)6月、12代将軍・家慶の死は公表されませんでした。世継ぎの家定は病弱で、この難局を乗り切れそうになく、幕府内には慶喜を次期将軍に推す動きもあります。ある日、隠れて江戸の町に出た慶喜は、町火消しの女房・れんに出会います。一方、父・斉昭は懐刀の藤田東湖らを一橋家に向かわせ将軍継嗣を説得しますが慶喜は拒み続けます。秋、13代将軍に家定が就き、翌年、ペリーが再び浦賀に現われました。
42分嘉永7年(1854)、ペリーは再び艦隊で浦賀沖に現れ、幕府の制止を聞かず江戸湾に入ります。幕府の弱腰外交に憤る慶喜は甲冑で身を固めますが、幕府はペリーに押し切られ日米和親条約に合意します。ある日、慶喜は町火消しの新門辰五郎(たつごろう)とその女房・れんの家を訪れます。父・斉昭が慶喜の人生勉強のため、辰五郎に指導を頼んでいました。慶喜と側近の新三郎は辰五郎の家で、一人の女性と運命的な出会いをします。
42分慶喜は、町火消しの辰五郎(たつごろう)の娘・およし、新門一家の纏(まとい)持ちのガンツムをはじめ町民や浪人と親交を深めますが、側近の新三郎は旗本に囲われているみよに心を奪われます。ある日、慶喜は辰五郎に案内された料亭で、実母・吉子の側用人の永原帯刀(たてわき)を見かけます。普段からは想像もできない世慣れた遊び人風で、別人のようでした。安政2年(1855)10月2日、大地震が江戸を襲いました。
42分安政2年(1855)10月2日の江戸大地震で、慶喜の一橋家では大きな被害はありませんでしたが、水戸藩上屋敷では側近の藤田東湖と戸田忠敞(ただあきら)が死に、斉昭は深い悲しみに包まれます。さらに、親斉昭派の阿部正弘が開国派の堀田正睦(まさよし)に主席老中の座を譲ったため、斉昭は試練に立たされます。安政2年(1855)12月、慶喜と京の公家、一条家の娘・美賀(みか)との婚礼の儀が行われました。
42分婚礼の後、参議になった慶喜は城内の控え室で、福井藩主・松平慶永(よしなが)から期待の言葉をかけられます。一方、義母の直子(つねこ)と正室の美賀(みか)はともに京の公家出身のため、御所言葉で親しく語っていました。そのころ、新三郎と、旗本に囲われているみよとのうわさが広まったため、慶喜は新三郎と水戸藩士の娘・たみを結婚させて事の収拾を計ります。慶喜と新三郎はそれぞれ新婚生活を送りながら新年を迎えます。
42分新三郎は、みよを囲う旗本・早川と争い、斬り殺してしまいます。切腹しようとする新三郎を、新門一家のガンツムが止めて、2人を連れ帰ります。辰五郎(たつごうろう)とれんは、新三郎とみよを生麦村の旅籠(はたご)にかくまいます。そのころ、美賀(みか)の懐妊を喜ぶ慶喜に、新三郎が起こした事件の一報が届きます。また、慶喜は兄・慶篤(よしあつ)から、父・斉昭が幕政へ口を出すことについて意見するように言われます。
42分水戸藩の内部争いが続く中、斉昭と慶篤の毒殺未遂が起きます。知らせを聞いた慶喜は父と兄を見舞いますが、2人の確執は深まっていました。また、この件は斉昭の姉・清子の嫁ぎ先である、京の関白・鷹司(たかつかさ)政通にも伝わります。斉昭は政通に将軍継嗣の件で、慶喜推挙についての朝廷の口添えを頼んでいました。ある日、慶喜の側近・倉石左衛門は、新三郎が斬り殺した旗本・早川の弟らに同行を強要されます。
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